解体工事 石綿則事前調査について

ご訪問ありがとうございます。

解体工事前に必要な事前調査についてお話していきたいと思います。

お盆前に建築物石綿含有建材調査者講習へ行ってきました。
まだ合否発表前なので心配なところですが…

事前調査とは

平成26年3月に公布された「建築物等の解体等の作業及び労働者が石綿にばく露するおそれがある建築物等における業務での労働者の石綿ばく露防止に関する技術上の指針」において、石綿障害予防規則に基づく事前調査及び隔離の処置に係わる留意事項等に規定されています。

令和2年7月1日に石綿則の一部が改正する省令等が交付され、解体・改修工事開始前の調査、届出の拡大・新設、作業の記録等が改正されました。
改正内容ととしては、
1.事前調査の方法の明確化
2.分析調査を7不要とする規定の吹付け材への適用
3.事前調査を行う者の要件の新設
4.分析調査を行う者の要件の新設
5.事前調査及び分析調査結果の記録内容の追加
6.一定規模以上の解体・改修工事に関わる事前調査結果等の電子届出の新設
の6つになります。

事前調査

ここでは主に一般木造住宅に適用される箇所に絞ってお話します。

2021.4から義務化
・解体・改修工事前の調査実施及び分析
・調査記録の3年保存
・作業場への記録備え
2023.10から義務化
・厚労省の定める講習に修了した者に調査を行わせる義務
※この講習に行ってきました。

事前調査の結果の届出

2022.4から義務化
・解体・改修工事の事前調査結果等を電子システム報告
対象となる建築物は、
・解体する部分の床面積が80㎡以上
・改修工事の請負金額が100万円以上の建築物

今年から順次義務化されていきます。

石綿含有建材

これまで石綿則による規制対象がレベル1・2であったのが3も対象となり、一般木造住宅にも必要になりました。
レベル3の石綿含有建材とは、レベル1の石綿含有吹付け材、レベル2の石綿含有保温材、耐火被覆材、断熱材に該当しないすべての石綿含有建材のことです。

一般木造住宅に使用されている主な石綿含有建材

一般木造住宅に使用されている主な石綿含有建材についてお話していきます。
レベル3の石綿含有建材は、屋根材・外壁材・内装材・塗装剤等住宅のほぼすべての場所に使われていました。また、石綿の含有率が過去何度かの法改正により5%超、1%超、0.1%超と含有率の上限が厳しく規制されています。平成18年9月に現行の0.1%超の含有した製品は使用できなくなったことにより、建築書類調査により明確な同年9月以降工事着手した建築物の解体工事に関しては目視での調査は不要とされています。

使われている石綿含有建材の主な製品
1.屋根材
・住宅屋根用化粧スレート
・ルーフィング
2.外装材
・窯業系サイディング
・複合金属系サイディング
・押出成形セメント板
・ケイ酸カルシウム板一種
3.内装材
・ケイ酸カルシウム板一種
・ロックウール吸音天井板
・石膏ボード
・壁紙
・ビニル床タイル・ビニル床シート
・ソフト巾木
4.その他
・塗材(内外装に使われる仕上げ及び下地材)
・アスファルト防水

上記に書き出した物は主なもので他にも多く使われています。
レベル3石綿含有建材のほとんどの製品は、建築物の施工時期、製品名、製造年などを特定出来ればから石綿含有の有無を確認することが可能です。

事前調査まとめ

追加されたレベル3石綿含有建材ですが、本来は飛散性が低くばく露の可能性が低いとされて対象外となっていました。ですが、適切な施工や処理がなされず作業員及び周辺への飛散やばく露の危険性が指摘され追加となりました。法令の遵守はもちろんですが、しっかりと確認し、適切な施工で工事を行うことが施主様、近隣、作業員、すべてにおいて重要なことではないかと思います。

事前調査や分析調査を実施するには費用が掛かります、その費用を少しでも抑え確実な調査を心がけていきたいと考えます。
また、分析には1点につき2万~2.5万円程度必要です。その物件ごとに分析した方が良いのか含有とみなして処理した方が良いのかの判断が費用を抑える上で重要な事だと思います。

使用されている建材と㎡数などを検討し、全体の費用を抑えて安全な工事の両立を目指してやって参ります。
法令でも義務化されている事前調査です、是非しっかりと調査を行い安全な解体工事を施工してもられる業者へ工事を発注してください。

事前調査の方法や石綿の危険性などはまた別記事で解説していく予定です。

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