解体費用について 坪単価で表示されている価格の違いや根拠
解体費用の単価や総額にまつわるお話です。
多くの方が一番気になる費用の違いについて解説します。一般的に坪単価を参考にされている方が多いと思いますが、その坪単価が何を基準に出されているかご存知ですか？
単純に地域の相場であったり一般的な表示単価で検討していませんか？弊社の価格シュミレーターも平均的な単価を基にした単価設定にしていますが、個別に見積もりをさせていただくとほとんどは単価が変わります。その理由をご説明していきます。
建物の坪単価とは？
解体費用の内、建物本体の解体費用算出に使われる単価についてです。まず建物の大きさです、小さいと割高傾向になり、大きくなるにつれ割安になっていきます。建物が大きければ工事費総額も大きくなるため割引がしやすくなります。
次に建物の構造です。使われている建材の種類や構造の違いによる単価の増減です。建材による費用の違いは、主に処分する際の処分費の違い、処理するための手間の違い、構造による違いは解体する際の手間の増減や、分別の手間も構造により変わります。老朽化や腐食により通常の工程で解体出来ない建物も含まれます。例としては、瓦葺屋根とコロニアル葺き屋根、板金外壁とサイディング外壁の違いなど処分費や分別手間が違うため単価が違ってきます。以前に外壁改修された際に既存外壁の上から新たに外壁を貼っている場合などは割高になってしまいます。
そして単価に大きく影響するのが重機使用の可否です。狭い通路の奥に建っている場合など大きな重機や搬出車両が入れないと手壊しでの解体となります。重機を使用出来る場合と手壊しの場合を比較すると、手壊しはどうしても工期や人手が増えてしまいます。その違いが単価に大きな影響を与えます。重機が入れる物件でも、隣家と重なり合うような軒先であったり建物の一部を切り離す縁切り解体の場合など手壊しの手間が増えればその分単価が上がります。
ここまで単価の決まる要因について解説してきましたが、条件次第で平均単価よりも高くも安くもなりますので実際に見積りを取ってみて検討されるのが一番だと思います。
養生足場工事費とは？
解体工事にほぼ必ず付随してくる費用です。養生足場工事費は基本的に面積が多くなる分だけ費用も大きくなります。養生足場の範囲については様々な考え方が有ります、近隣の影響を重視し3方ないし4方全て囲ってしまう、費用の面で考慮した場合は距離の近い隣家側にだけ設置するなど考え方は様々です。弊社の場合は、費用負担を考慮して必要な部分のみ設置で見積もりをしています、当然説明をして施主様の希望があれば3方4方の対応をしています。
単価は足場を組んでメッシュシート張りが基本です。立地条件や施主様の希望で防炎防音用のシートに変更も可能ですが、基本的には状況を考慮した上で一番安くなる見積もりを心掛けています。
養生足場工事に関しては色々な議論も有ります、全方向囲わない業者は安全や配慮に欠け悪質であるなどネットでは見掛ける話です。当然すべて囲うのは周囲に対しては一番良いのは間違いありません、ですが先程話した通り養生足場工事は囲う面積により費用が変わります。すべて囲うことは1面設置するより単純に4倍費用が掛かるのです。必要な箇所への設置は確実に実施し、その他は施主様の希望に沿ってという考え方が弊社の方針です。
その他の工事費
付帯工事
ブロック塀や庭木、庭石の撤去です。単純に塀の面積や樹木石の量によります、無ければ必要ありません。
重機回送費
重機の運搬費に当たります、単純に距離と重機の台数が増えることで上がります。
石綿則事前調査
工事前に対象となる建材の有無の調査です。対象建材の調査と対象建材の分析に掛かる費用です。分析が必要な建材が増えるとその分だけ分析費が必要になり、見積り時に内部を見られない場合は平均費用の提示になります。
トラブル防止に大事なこと
解体工事を検討されている場合は、相場や平均価格のシュミレーションも良いですが実際に見積もりを取ってみることが大切です。思っているより高かった安かった結構な価格のズレもあります。
見積りを取ってみたら早めの実施がお勧めです。廃材の処分費や分別等の手間は年々増え、人手不足や賃金上昇により人件費も増えています。実際、5年前の単価で現在施工出来ませんし、今の価格で3年後施工出来るかわかりません。
許可証の確認、建設業や解体工事業登録、産廃収集運搬業などの許可を受けているかをしっかり許可証を見せてもらいましょう。
工事を依頼する場合には、しっかり工事請負契約書を交わす。契約書には費用、工期など以外に追加費用や追加工事に関する事項や損害が発生した場合の責任と保証が記載されていることを確認します。
見積り時から契約までしっかりと書面で説明してもらえば、不要なトラブルを避けられますし、してくれる業者なら安心出来ます。
可能な限り見積もりの内訳が細かく記載されている業者さんを選ぶことが大事です。記載されている項目は工事範囲ですし、記載されていない内容は含まれていない、言った言わないの口約束はトラブルの原因にもなりかねません。
見積り依頼や解体工事に関する疑問、空き家など不動産に関するお悩みもお気軽にお問い合わせください。
